セガ・アーケードゲームヒストリー

2017.06.23 さらにヒストリータイトル追加!コラムも好評連載中!

第7回セガ・体感ゲームクロスレビュー

2017年04月20日掲載

連載第7回目にして、「さあ、何を書こう?」とネタに詰まっている筆者なのですが、“詰まる”のはトイレとコピー機だけにしてほしいと思う今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

コラムの締切日をブッちぎりながら、足りない頭をフル回転させ、出した答えがコレ・・・!えー、今回は“セガ・体感ゲーム”のクロスレビューをやりたいと思いまっす!

えーと、ようは、セガ体感ゲームシリーズの第1弾となる『ハングオン』(1985年)から、縦横360度にぐるんぐるん回転する究極の体感ゲーム筐体『Sega R-360』(1990年)まで、筆者がチョイスした10タイトルを独断と偏見でレビュー(と、いう名の思い出語りを)したいと思いまーす!
ちなみに、レビューする10タイトルの体感ゲームは、もちろんすべてリアルタイムでプレイしているものばかり。はい、というわけでさっそく行きますー!

●『ハングオン』(1985年)
現在は少々下火になってしまったけど、本作のリリース時は大変なバイクブームだったんですよね。ボクも高校に入ってすぐに中型二輪の免許を取って、スズキのGSX-R400というバイクを中古で買いましたもん。当時は、テレビでロードレース世界選手権が放映されてたこともあり、それに影響されて、人気レーサーのフレディ・スペンサーやケニー・ロバーツの乗り方をマネしながら『ハングオン』をプレイしたなあ。あとスカート姿の女性が『ハングオン』にまたがるの見て、ドキドキした記憶も(笑)。学生ながらに、いろいろな意味で刺激的なゲームでした。

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▲『ハングオン』(1985年)

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▲『ハングオン』(1985年)



●『スペースハリアー』(1985年)
体感ゲームシリーズのなかでも『スペースハリアー』って異色だと思うんですよ。バイクのレーサーや、クルマのドライバー、戦闘機のパイロットといった現実世界の疑似体験ではなく、ファンタジーの世界を体感できるという点で。ちなみに、ハードウェアの制約上で人間(ハリアー)に変更されたけれど、そもそも開発段階では自機が戦闘機だったというのは有名な話。ともあれ、2頭のドラゴン(ゴダーニ)や顔面岩(アイダ)、隻眼のマンモス(マンモス)など敵キャラクターも含め、全体的に(良い意味で)イッちゃった異世界感が、あらためてスゴイと思う。

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▲『スペースハリアー』(1985年)

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▲『スペースハリアー』(1985年)



●『エンデューロレーサー』(1986年)
“体感ゲーム”という言葉が初めて使われた、ある意味記念碑的なタイトル。とはいえ、『ハングオン』、『スペースハリアー』、『アウトラン』の“体感ゲーム御三家”(『アフターバーナーII』を入れて御四家でも良い)と比べると、人気は少々控えめな印象も。ゲームシステムとしては、ウィリーでジャンプスポットを飛んだり、カウンターステアを当てたりと、オフロードバイクの醍醐味を上手に表現していたんだけどなあ。その後、移植されたセガ・マークIII版は、まるでATARIの『ペーパーボーイ』のようなクォータービューの作品になっちゃったのはご愛敬。

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▲『エンデューロレーサー』(1986年)

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▲『エンデューロレーサー』(1986年)



●『アウトラン』(1986年)
先日たまたま、ウン十年ぶりにデラックス筐体で遊んだんですけど、思っていた以上にがんがん可動してビックリ! むかし取った杵柄じゃないですが、裏技の“ギアガチャ”も体が覚えてて楽しくプレイできました。本作の特出すべき点は、カーラジオを模した画面から曲が選べるギミックですよ。ゲームミュージックがゲーム演出のひとつとして活用された、という意味では発明だと思うんですよね。あと真っ赤なボディの筐体デザインもかっこいい! この筐体にタイヤを付けて本当に走るように改造した海外アーティストがいるのもわかる気がする(笑)。

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▲『アウトラン』(1986年)

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▲『アウトラン』(1986年)



●『スーパーハングオン』(1987年)
当時の人気レーサーである、フレディ・スペンサーやワイン・ガードナーが乗っていたバイク(ロスマンズ・ホンダ)風のカラーリングを模した筐体がかっこいい。ゲームシステムとしては『ハングオン』がベースなんだけど、コースのアップ&ダウンの演出が追加されたことで、より臨場感が昇華した印象も。また『ハングオン』のリリースからたった2年でグラフィックもだいぶ進化したなあ、と。ちなみに、オリジナル『ハングオン』のゲームデザインを手掛けた鈴木裕さんは、本作では後進育成のためプロデューサーの立場として参加されたんだとか。

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▲『スーパーハングオン』(1987年)

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▲『スーパーハングオン』(1987年)



●『アフターバーナーII』(1987年)
気分はまさに、当時の大ヒット映画『トップガン』(1986年)の主人公、トム・クルーズですよ。『アフターバーナーII』をプレイしながら、ずっと頭のなかには『トップガン』のテーマ曲である『デンジャーゾーン』(ケニー・ロギンス)が鳴り響いてましたから。ちなみにセガファンならご存じの人も多いと思うけど、プロトタイプとして出荷された『アフターバーナー』(いわゆる『I』)のバージョンアップ版が『アフターバーナーII』なんですよね。ボクはプロトタイプ版は遊んだことがないんだけど、現在どこかで稼働してたりするんですかね? 情報求む!

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▲『アフターバーナーII』(1987年)

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▲『アフターバーナーII』(1987年)



●『サンダーブレード』(1987年)
電動で筐体が可動するのではなく、プレイヤーが動かしたジョイスティックの傾きに応じて(ようは手動で)、座席が可動する異色作。いわゆる、“手動ムービング筐体”ですよ(なので操作はちょっと重たい)。このアイデア溢れるアナログ感に驚きだったなあ。また、ヘリコプターのコクピット(およびヘリの着地脚)を模した筐体デザインも男心(少年心?)をくすぐる感じでかっこよかった。ゲームシステム的には、真正面から見た3Dステージと、上空から俯瞰した2Dステージが交互に展開されるのが目新しかったですね。

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▲『サンダーブレード』(1987年)

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▲『サンダーブレード』(1987年)



●『ギャラクシーフォース』(1988年)
水平方向にぐるりとほぼ1回転する専用のスーパーデラックス筐体がウリ。実際は、前後の傾斜が15度で、左右は335度の回転だそう。本作を初めて見たときは、「すげえ!体感ゲーム筐体もここまで来たか!」と思ったもん。『サンダーブレード』の“手動ムービング筐体”しかり、当時のセガがさまざまなチャレンジをしていたのが伺える1作かなと。余談だが、セガファンとしても有名なマイケル・ジャクソンが、セガ本社を訪問した際、本作の筐体をプレゼントされたという逸話もアリ。マイケルくらい家が広かったら、ボクも欲しかったです(笑)。

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▲『ギャラクシーフォース』(1988年)

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▲『ギャラクシーフォース』(1988年)



●『パワードリフト』(1988年)
個性溢れるさまざまなキャラクターの見た目をはじめ、アップテンポなゲーム演出、そしてドリフトでコーナーを駆け抜けていく爽快感などなど・・・当時、ゲームセンターで見かけて、すぐにハマった作品。少ないお小遣いをはたいて、当時ポニーキャニオンから発売されていた『パワードリフト』の攻略ビデオを買ったくらい。そのビデオを繰り返し見て勉強して、ゲームセンターで腕を披露してたなあ。まあ、それほど熱心に勉強もしてたか、と言われると、そっちは“まったく”だったんですが! 体感ゲームのなかでも1、2を争うほど好きな作品です。

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▲『パワードリフト』(1988年)

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▲『パワードリフト』(1988年)



●『Sega R-360』(1990年)
前後左右360度に回転する究極のゲームマシン。後にも先にも似たようなモノが出てこない、唯一無二の筐体ですよ。ちなみに『R-360』とは筐体の名称のこと。ゲーム(ソフトウェア)にはシューティングゲームの『G-LOC』などがありましたよね。これがゲームセンターにあったなんて、いま思うとすごいなあ。当時プレイしたのを覚えているけど、初めての体験で“目が回ってしまった”思い出が! ともあれ、本作は“セガ・体感ゲームの真骨頂”だと思います。なお、本作以降、体感ゲーム(ムービング筐体)の開発が少なくなってしまったのは残念な限り。

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▲『Sega R-360』(1990年)

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▲『Sega R-360』(1990年)

と、10タイトルのレビュー(と、いう名の思い出語りを)しましたけど、いやあ、いま思うと当時のセガって、(いま以上に)かなり尖ってたなあと。さすがボクらの“セガ先輩”(敬意を表してこう呼ぶ)ですよねえ。というわけで、もちろん今後も、“セガ先輩”に付いていきたいと思いまっす!

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

参考資料:セガ・アーケード・ヒストリー(エンターブレイン刊)

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