-多くのタイトルを世に送り出していますが、プロデューサーの立場として社内の調整とか大変ではありませんか?

いっぱい怒られてきましたね。でも、それも全て勉強ですから。セガは過去に開発スタジオの分社化という歴史があったんですけど、そのときに各開発スタジオのトップを務めていた先輩クリエイターに、色々なことを教わりました。これがあったから、プロデューサーが務まっているんじゃないかなと思います。想像したゲームやエンターテインメントを実現し、どうユーザーに届けるのか、そのためのやりかたを教えてもらいましたね。

-しかもセガを代表するクリエイターは、尖った人が多いですよね。

尖っていましたし、常識があてはまらない人達ばかりでしたけどね(笑)

-え、そうなんですか?

そうなんですよ。具体的には言えないですけどね(笑)
常識の枠にとらわれないというか気にしないからクリエイターとして魅力的なんですよ。

-そうした先輩クリエイターのみなさんと仕事するのは大変ではありませんでしたか?

大変と思ったことはないですが、今でも怒られることがあるんですよ(笑)

-言ってもらえることもスキルのひとつだと思います(笑)

おそらく、自分は言いやすいタイプなんだと思うんですよ。なので、いろいろと得をしているなとは思います。

-クリエイターとして重要なポイントは、どこにあると考えていますか?

ワガママになることですね。ワガママで、徹底したこだわりを持っていることが大事だと思います。面白い作品というのは、尖っている部分があるからこそ最終的に大きなレーダーチャートができあがると思っているんですよ。尖ったところがあれば、それを軸にして大きなチャートにする為に、必要なスタッフを探してきて埋めればいいんですよ。尖ったところがない場合は、小さなレーダーチャートしか出来ないです。どんなに補っても、新しさを感じない。だから、自分はクリエイターのワガママをできるだけ叶えたいと考えているし、言える環境にするようにしています。

-良い意味での自己主張が必要だと?

平気で「あれはダメですね」とか言うスタッフがいるんですけど、そう言える人には魅力を感じますね。「何でダメなの?」って聞きたくなるんです。モヤッと「ん~、どうでしょう」と言っている人よりも魅力がありますね。伸びるクリエイターは、「おまえが作ったのかよ!」と突っ込みたくなるぐらいのことを言うんですよね。

西山泰弘
西山泰弘

-バランスがとれていない人のほうが惹かれるということですか?

そうかもしれないですね。タイプにもよるかもしれませんが、やる気があって、チャンスを掴みたくて、自分の作りたいモノを商品化したいという主張が強いタイプがいいですね。器用に立ち回れるタイプであれば、僕と一緒にやっても意味がないかもしれませんね(笑)

-ちなみに、西山さんの考えるクリエイター業の面白さは何ですか?

自分たちが作りたくて、面白いと思ったプロジェクトを立ち上げることができることだと思います。そのリアクションとして、プレイヤーが「面白い」と思ってくれたら、純粋に嬉しいですよね。もしかしたらゲームをプレイしているのと似ているのかもしれません。

-というのは?

例えばサッカーゲームで、このタイミングで右サイドあけてスルーパスを通そうと狙って、その通りにプレイできると嬉しいじゃないですか。そういった感覚と似ているかもしれませんね。

-狙い通りに動いてくれたら面白いというのは、たしかにゲームと一緒ですね。

西山泰弘