第一研究開発本部・AM R&E研究開発部 サウンドセクション セクションマネージャー 川口博史(Hiro)

仕事は楽しく! 川口博史(Hiro)

代表作

  • 『スペースハリアー』、『アウトラン』
    『アフターバーナー』など
  • サウンドクリエイター

松岡直也さんの曲を聞いていなければ、
『アウトラン』の曲は生まれなかった

-楽曲制作において、こだわっている部分は?

基本は、自分自身がそのゲーム内で聞きたいと思う曲を作ります。もちろん、多く人の意見を聞いて、それらを取り入れることも大事だと思いますが、全部の意見を取り入れるとありきたりな楽曲になってしまうことも多いんですよね。
そういった(ありきたりな)楽曲はエンターテイメントとしては面白くないと思うんです。ですから、最低限としてゲームの世界観には合わせますが、できるだけ尖った曲作りを目指しています。
たとえば、「テクノミュージックを作ってください」という依頼があったとします。それが、自分の苦手なジャンルであっても、たくさん曲を聞いて、そのジャンルが好きな人が、心地よいと思うポイントを探すんです。
すると、不思議なことにそれまで、そんなに好みではなかったジャンルでも好きになるんですよね(笑)。このように、まずは自分自身にきちんと"そのジャンルの良さ"を落とし込んでから作曲するようにしています。
『アイドルマスター』のライブを見てアイドル曲を作りたいと思ったときも、数々のアイドルのライブに足を運び研究しました。そこでわかったことは、アイドルのファンは曲を聞いて楽しむだけではなく、"その場の盛り上がりをアイドルと共有したい"という気持ちが強くあるということでした。
ですから、私が作ったアイドル曲には、ファンがコール&レスポンスできるような"合いの手"を入れ、よりアイドルと盛り上がりを共有できるような楽曲にしたんです。

-これまで、ご自身が作られた楽曲のなかで印象に残っている作品は?

思い出深いプロジェクトですと、"横浜ジョイポリス"(2001年営業終了)で稼働していた"レイルチェイス・ザ・ライド"というアトラクションの楽曲・効果音制作ですね。"レイルチェイス・ザ・ライド"というのは、トロッコを模したマシンに乗り敵を倒しながら進んでいくガンシューティング型ジェットコースターでして、企画段階から参加したプロジェクトでした。
空間演出を含めた音響プロデュースをトータルで行えたことがとても楽しくて印象に残っています。コースシーンに合わせて曲を変え、トロッコがグルグルと回る箇所にはスピーカーを4台設置し、音も一緒に回るようにする、などの工夫をしました。

-これまで、さまざまな楽曲を手掛けてきた川口さんですが、長年、サウンドクリエイターとしてユーザーに支持され続けているのはなぜだと思いますか?

自分の好きなものを作り続けてきたからだと思います。手前味噌ですが『ファンタジーゾーン』の曲など、いま聞いても古臭さを感じないのは当時の流行っていた音楽の後追いをしなかったからだと思います。
また、ありがたいことに、国内だけではなく海外のユーザーにも支持してくださる方が多く、今年は『アウトラン』(1986年)がリリースされてちょうど30周年なのですが、それを記念して、イギリスのData Discsという音楽レーベルから『アウトラン』のアナログレコードがリリースされたんですよね。このように、私が作った昔の楽曲を、いまでも愛してくださるのはとても嬉しいことです。

-ちなみに、サウンドクリエイターとして影響をうけた人はいらっしゃいますか?

ゲーム音楽で影響を受けたのは『ニューラリーX』や『マッピー』の楽曲を担当された大野木宜幸(※1)さんです。ミュージシャンでは松岡直也さんやカシオペアです。松岡直也さんの曲を聞いていなければ、『アウトラン』の曲は生まれなかったと思います。
また、他社のゲームで音楽的表現が素晴らしいと感じた作品は、『ネクタリス』(ハドソン)や『moon』(ラブデリック)などですね。


(※1)大野木宜幸……作曲家。元ナムコ(現在のバンダイナムコエンターテインメント)の社員。

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