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松永 純【後編】 松永 純【後編】

CREATOR’S
INTERVIEW #001

松永 純

ページ

代表作:『チェインクロニクル』(原案/メインゲームデザイン/ディレクター)、その他担当作『三国志大戦』『戦国大戦』

トップスペシャルコンテンツCREATOR`S INTERVIEW #001

ページ2/2

  • CHAPTER 5
  • CHAPTER 6
  • CHAPTER 7
  • CHAPTER 8

CHAPTER 5

プロが集まったから、
ここまでのことができたんだなと。
これはすごい仕事だなとそのとき思った。

-松永さんがセガへ入社して、最初に携わったタイトルは何だったのでしょうか?

世に出たもので、最初に関わったタイトルは『三国志大戦』です。
新人研修後に運良く新規立ちあげのチームに入れてもらったのですが、そこで『三国志大戦』の原案を提案したんです。それからしばらくして、メインプランナーとしてチームに入って、パイロット版を作って。
そこからの経験は、非常に大きなものになりました。

-その『三国志大戦』が世に出たときは、やっぱりそれまで趣味でゲームを作っているときは違う喜びがあったのでしょうか?

はい、ものすごく感動しました。
アーケードゲームはリリース前にロケテストを行うんですが、その感動がすごかったです。ユーザーさんがプレイに一喜一憂してくれて、「もっとこうすればいいんじゃない」、「このキャラのほうがいいよ」と盛り上がっている光景は、今でも思い出します。

-別格の喜びがあったんですね。

趣味でゲーム制作をしていたときもプレイした人から感想をもらうことがあって、同じゲーム作りなのだから、その延長線上かなと思っていたんです。でも、別物でした。規模感が違うというか。
ロケテストでも何百人、実際に稼働すれば何万人というユーザーが遊んでくれるんです。
それになにより、最新の筐体が並んで、派手な演出が行われている光景が、自分ひとりでは絶対に作れないものだなという実感がそのとき強くあって。
プロが集まったから、ここまでのことができたんだなと。これはすごい仕事だなとそのとき思ったんです。

CHAPTER 6

アイデアをみんなで磨くことで、
最終的には200点ぐらいを目指したい。
だからこそ100点からスタートする。

-プロとしてのゲーム制作の現場で大事にしていることはありますか?

あります。ひとつは、何か提案をするときは、当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、必ず新しいアイデアを入れられるように努力しています。意外と新しさがなくても、提案というのは通るものなんですが、やっぱりユーザーさんに、「おっ!」と思ってもらいたいですから。

-ユーザーの想像を越えるものを?

そうです。やっぱり人が「すごい!」と感じるものは、それまでに見たことのないものだと思うんですよ。

-確かにそうですね。

それと、必ず自分のなかでアイデアを100点だと思えるまで考え尽くしてから、提案をするようにしています。

-自分の頭の中で、完成させてしまうのが良いということですか?

いえ、そういう意味では逆ですね。むしろアイデアをみんなで磨くことで、最終的には200点ぐらいを目指したいんです。でも不思議なもので、チームでの物作りというのは、100点の提案からスタートしないと、200点の完成品には絶対ならないんです。
例えば10点ぐらいの提案では、せっかく周りの人が懸命に高めてくれても、20点ぐらいにしかならない。それじゃ一緒に仕事をする仲間に対して失礼だし、チームで作る意味もないと思うんです。個人が出せる最高点が100点だとして、みんなで20点を作るくらいなら、個人で100点のゲームを作ったほうがいいですし。
だから、チームでゲームを作るなら200点を目指すべきだし、そのために最初のアイデアは、100点からスタートできないとダメなんです。

-それが責任でもあると?

そうですね、新しいことを提案する人間の責任だなと。逆にだれかが提案したものを磨いていくときは、1点でも2点でもプラスになればと思ってアイデアを交わすようにしています。でも口火を切る時は、とにかく考えますね。

-なるほど。

あともうひとつ重要なのが、やっぱり伝える能力です。自分の考えを人に伝えるための努力をいとわないことが大切ですね。「土下座してでも伝えよう」という執念が必要ですし、僕は新人のころに実際してました(笑)

-本当ですか?

はい。新人の頃なんて、実績もなければ、理屈も持てていないわけですし。作れば絶対面白いと思える内容で、説明できることは全部して、それでも伝わらないこともあったので……。じゃあもう膝をつこうと(笑)。

-そこまでして伝えたいことがあったんですね。

三国志大戦の基本システムを作ってるときでしたね。さっき気持ちだけでは伝わらないみたいなことを言いましたけど、面白い理由は伝わらなくても、熱意が伝われば動いてもらえることはあります。もちろん、理解してもらえることが一番ですが、乱暴な言いかたをすれば、作っていく中で同じ方向を向ければさえすれば、その方法はなんでもいいんだと思います。

CHAPTER 7

『チェインクロニクル』は、
自分が持っているRPGへの愛情をぜんぶ注ぎこんだ。

-ゲームクリエイターになられて10年以上経つのですが、自分の手がけた作品のなかで思い出深いのはどれですか?

やっぱりひとつは『三国志大戦』です。仲間と一緒にモノを作っていく楽しさや、プロのゲームクリエイターとしての醍醐味を楽しさを教えてくれた作品なので。それともうひとつは、『チェインクロニクル』です。もともとRPGが作りたくてゲームクリエイターになった経緯があるので、自分が持っているRPGへの愛情をぜんぶ注ぎこみました。ですから一番大事な作品です。

-じゃあ『チェインクロニクル』では、自分の中にあるものをすべて放出できたと?

そうですね。子供のころからRPGで得てきたものも、プロになってから得た経験も、ほぼ全部出せたんじゃないかと。

-出し尽くして空っぽになるぐらいの?

そうかもしれません、それぐらいの勢いで。実際はリリース後すぐ運営が始まったので、むしろいっぱいいっぱいになってましたが(笑)

-『チェインクロニクル』の制作で、とくに思い出深いのは何でしたか?

『チェインクロニクル』に関しては、楽しくて大変な時間がずっと続いていましたね。『三国志大戦』は30人ぐらいのチームの中で制作していたので、メインの対戦システムのゲームデザインが主な仕事だったんですが、『チェインクロニクル』は10人に満たない少数チームだったので、全体のディレクションとプロデュースをしつつ、戦闘システム設計や、シナリオ構成、キャラ設定や画面設計まで、いろいろやりました。だから「ここが」というのは決められないです。戦闘システムができあがった時も嬉しかったですし、絵描きさんと話しあって想像以上のキャラが生まれたときも嬉しかったですし、ライターさんと一緒になって熱いシナリオができあがった時も嬉しかったですし、チームで意見を戦わせて今までにない画面ができあがったときも最高に楽しかったです。全部が楽しくて思い出深く、これまでのなかでいちばん濃い時間を過ごせたと思います。

-楽しいだけじゃなく、苦労も含まれているほうがいいのでしょうか?

えっと、どうでしょう……。その言い方だと、なんかMみたいな印象ですが(笑)。ただ、新しいものを作る時に、苦労がないということは絶対ないですから。良いものを作ることとセットだと思っています。

-ちなみに、『三国志大戦』ではそれまでにない感動があったと言っていましたが、『チェインクロニクル』のリリース後はどんな喜びがあったのでしょうか?

リリース後だと、やはり一番嬉しいのはユーザーさんの反響です。チェンクロを作りはじめたそもそもの動機は、僕自身が大人になって、一日どっぷり休んでRPGに没頭するような生活ができなくなって、でも日々の忙しい中でも、ちょっとスマホを取りだして、短い時間の中でも熱くなったり感動したりできるRPGが、世の中にあってほしいと思ったからなんです。だから、リリースしたときに、自分と同じような想いを持つユーザーさんがたくさんいて、「こういうRPGを待っていた」という声をたくさん頂けたのがとにかく嬉しかったですね。

-共感を得られたわけですね。やはり世に出した瞬間が一番嬉しいものなんでしょうか?

いえ、チェンクロでは、運営をはじめて2年くらいのときにも、すごい感動がありました。2周年のキャラクター人気投票イベントのときです。チェンクロは登場キャラクターがものすごく多くて、今ではもう800キャラぐらいいるんです。チェンクロのコンセプトのひとつは、カードゲームのようにたくさん種類があるのに、ひとりひとりがキャラとして感じられるということだったので、キャラが多いのは望むところなんですが、でもそれだけ多くのキャラクターを登場させれば、どうしても存在感の薄れるキャラクターも出るだろうという悲観もあったんです。ところがそのイベントで、どのキャラクターに対しても、たくさんの熱いメッセージを頂いて。自由コメント欄をまとめたファイルがあるんですが、欄が多すぎてスクロールできないくらいなんです。すごく感動しました。心が震えました。

-それは熱い展開ですね。

もちろん作り手として、やれるだけのことはやっているつもりなんですけど、「でも」という思いがぬぐえなかったんです。物理的に考えて、800人もキャラクターがいたら、20人くらいの登場人物でストーリーが進む普通のRPGと比べて、ユーザーさんの人数が同じなら、キャラの人気は40分の1になってしかるべきですし。でも、すべてのキャラクターがファンに愛されていて、全部のコメントを合わせたら、普通のRPGの何倍もの声が頂けたんです。2年を経て、自分たちが思っていた以上の熱量が、タイトルに宿っているのだなと感じました。

-モノ作りでそうした経験ができることは、そうはないですよね。

そうだと思います。ファンの皆さんにタイトルを育ててもらえるというのは、こういうことなんだなと。本当に感謝しかありません。

CHAPTER 8

面白くて新しい体験がそこにあれば、
暇つぶしから、日々を変える何かになれる。

-『チェインクロニクル』も『クライマックス・チャプターズ』、そして『第三部』へと続くのですが、ユーザーに育ててもらったゲームの次回作となると、作るのも難しくないですか?

はい、すごく怖いです。新しい取り組みが必要だと思っているのですが、とても難しいです。

-新しすぎると受け入れられないこともあり、かといって進化しないわけにはいかないと思うのですが、ゲームクリエイターはその葛藤に対してどう対応しているのでしょうか?

明快な答えはないですね。とにかくたくさん悩んで、考えるしかないです。それと、自分の中だけで解決する問題でもないと思いますし。本当に細かい点ひとつひとつについて、支えてくれている様々なユーザーさんの視点で、プラスになるかどうかを考えなければいけませんし、それは誰かが良いアイデアを出して大枠を決められたらクリアできるという話ではないので、チーム全員がそのバランスをとれるようになれねばと思っています。ただ少なくとも、新しいことを考えることから逃げるのは間違いですから、きちんと新しい提案をしていって、そのうえで時間をたくさん作って、みんなで悩んで精査することが大切だと思います。

-今後、『チェインクロニクル』をどうしていきたいのか、将来の展望はありますか?

とにかく、これからもずっと長く続くタイトルにできればと思っています。個人としての思い入れがあるというのはもちろん、やはりここまで育ててくれたユーザーの皆さんに対して、ずっと楽しいタイトルでありつづけたいという気持ちが強いです。でもストーリーが中心のゲームなので、物語には終わるときも来るという矛盾もあるんですが。

-確かに悩ましい矛盾ですね。

とくにスマホのゲームは、毎日遊んでくれている人がたくさんいるんです。だからゲームとしての寿命という部分に関しては、とても難しいところがあります。普通そういうゲームは、ストーリーではなく、ユーザー同士の対戦や協力といったコミュニケーションか、とにかく育てても育てても終わらない育成要素で、寿命をつなぐんです。ですがチェンクロは、どちらの要素も少ないので。なにしろもともと1年くらいで完結する予定でしたから。ですが、「終わってほしくない」というたくさんの声を頂いて、これまで走り続けてきました。だからこれからも、どうやったらずっと続けられるのかをいちばんに考えて、やり遂げたいと思っています。新しくしなければ寿命が尽きるけれど新しくしちゃいけない、物語は終わるものだけど終わらしちゃいけない、という矛盾は含んでいるんですけど、これからも悩みながら、開発を続けていきたいです。

-松永さんには『チェインクロニクル』以外の活動もあると思うのですが、ゲームクリエイターとして、やってみたいことや実現してみたいことはありますか?

形式を問わず、これからもユーザーさんの体験を変えるようなゲームを作っていきたいと思っています。自分と同じように、ゲームが好きで新しい面白さを求めている人にそれを届けたいですし、そこまででもない人をゲーム好きにしていけたらと思っています。個人的にスマホゲームが流行した時によく聞いた、「ゲームは暇つぶし」という言葉がすごく嫌いで。たしかに言ってしまえば、ゲームはあってもなくても別に困らないものなんですが、面白くて新しい体験がそこにあれば、暇つぶしから、日々を変える何かになれると思うんです。別に誰かの人生を変えたいとかそういう大層な話じゃなく、そうやってちょっとでも大事な思い出になって、いつか誰かとお酒を飲んだ時に、「あれが楽しかった」って話題に出るようなものになれれば嬉しいなと。そこに届けられるよう、みんながまだ体験したことのないものを、もっともっと作っていきたいです。

-では最後に、松永さんにとってゲームクリエイターとは何なのか、訊かせてください?

ゲームクリエイターが何なのかは、いまだによくわからないです。就活のときからわかっていなくて、あれから10年以上たちましたが、まだ全然よくわからないです。なんでもできるんです、ゲームクリエイターという職業は。ゲームは、小説や映画のような楽しみかたも提供できるし、コミュニケーションツールにもなれるじゃないですか。実際に体を動かして楽しむマシンもあれば、何時間も考え続けるのが楽しいものもあります。でも、どんなかたちでもゲームだし、それを作る方法もたくさんあって、何でもありなんです。本当に、限りがない。だから、楽しい仕事だなって思います。

Interview&Text:鈴木明秀

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