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山下 祐人【前編】 山下 祐人【前編】

CREATOR’S
INTERVIEW #013

山下 祐人

ページ

代表作:Wonderland Wars(アートディレクター)

トップスペシャルコンテンツCREATOR`S INTERVIEW #013

ページ1/2

  • CHAPTER 1
  • CHAPTER 2
  • CHAPTER 3

CHAPTER 1

初めて遊んだゲームは、祖父が作ってくれた
オリジナルのパソコンゲーム

-まずは、山下さんの生い立ちについてお聞かせください。

1984年、福島県のいわき市に生まれました。幼少期はレゴブロックで遊んでいた記憶ばかりでインドアな少年でしたね。
最初に遊んだゲームは、祖父が作ってくれたオリジナル作品のパソコンゲーム作品でした。和菓子職人だった祖父は趣味がパソコンで、自分でペイントソフトやシューティングゲームを制作してしまうほどの腕前だったんです。
家庭用ゲーム機に初めて触れたのは小学校の高学年になってから。そのときも祖父が両親に内緒でファミコンを買ってくれて。祖父はパソコンを操作するだけでなく捨てられたパソコンを拾ってきて修理するなど機械いじりも好きだったので、テレビゲームにも理解があったんですよね。
壊れたパソコンや楽器を祖父が直して私が使う、といったことも多く、そんなクリエイティブで多才な祖父の姿を見て育ちました。

-中学、高校生のときは、将来どのような職業に就きたいと思っていましたか?

当時は、バンドマンになることが夢でした(笑)。毎日、ピアノやギターを練習して、「将来はこれで食べていくんだ!」と思っていましたね。
中学に入ってから本格的にバンド活動を始め、遠方のライブハウスへ遠征することも増えたのですが、同時に自分のレベルに直面する機会も増えていって。
「この曲、いいな」と思うことはあっても、自分で「こういう曲を作りたい!」と真剣に考えたことがなかったんですよ。”あぁ、あくまで誰かの真似ごとでしかなかった”と気が付いたんです。
そこで改めて、「自分の可能性って何だろう?」と考えたときに、昔から絵を描いて褒められることが多かったことを思い出し、高校3年生の時に一念発起し美術部に入りました。
それまでマンガの模写などはしたことがあるものの、絵を本気で描いたことはなかったんですが真剣に絵を描き始めてみたらすごく楽しくて! 今後絵を続けていけば、”どんどん知らない景色が見えるのでは”と大きな未来を感じたんです。それがきっかけで、”美術関連の職業に就きたい”と思うようになりました。

-高校卒業後はどのような進路に?

高校卒業後は、福島を出て東京造形大学に進学しました。最初は現代美術を勉強していたのですが、2年ほど通ったのちに別のことを学びたいと思い、途中で多摩美術大学に編入して、そこでは彫刻を2年間勉強しました。
その後は、フリーターとして1年を過ごし、主にテレビ番組の舞台美術製作会社で、舞台セットを作っていました。いわゆる大道具さんですね。ひたすら発泡スチロールを削って色を塗ったり絵を描いたり……(笑)。
当時、僕の周りにはアーティストを目指す友だちが大勢いました。僕自身もフリーターを続けながら、アート系のコンペに作品を出しては受かったこともあったのですが、段々、アート業界の内向的な側面に閉塞感というかネガティブさを感じてきて。アートを通して、人を喜ばせる、もっとポジティブな活動をしたい、と考えるようになりました。エンターテイメント業界ではそれが実現できるのではと考え、東京芸術大学の大学院に行き2年間勉強をしてから、2011年にセガへに入社しました。

-セガに入社を決めたきっかけは?

ゲームメーカーやテレビ局など計5社ほど入社試験を受け、セガを含む数社から内定をいただきました。どの会社に入るべきかと悩んでいた時に、ふと思い出したことがあったんです。
……その昔、セガサターンの『サクラ大戦』(1996年)で遊んだときに、ゲームで初めて涙ぐむほどに感動して、それまでのゲーム人生のなかでも一番斬新な体験をしたなあ、と。
ドリームキャストで『サクラ大戦3巴里は燃えているか?』(2001年)がリリースされたときは、ドリームキャストを持っている友だちに土下座して貸してもらったな、と(笑)。
そんな思い出がフラッシュバックして、「もしかしたら、自分にはセガが合っているのかもしれない」と直感的に思いまして、入社を決めました。

CHAPTER 2

アートディレクターの役目は
デザインの軸となる方向性の"舵取り"をすること

-入社当初はどのような業務を担当されましたか?

セガにはデザイナーとして、2011年に入社しました。第一研究開発本部(当時)に配属されまして、1年半ほど『WORLD CLUB Champion Football(WCCF)』のUI(ユーザーインターフェイス)デザイナーを務めました。
サッカーは好きでしたので楽しく仕事に取り組んでいたのですが、ある日、上司にふと「ファンタジー作品も手掛けてみたい」ということを話したら、いつの間にか『Wonderland Wars(ワンダーランドウォーズ)』の立ち上げメンバーに組み込んでくれていました(笑)。

-『Wonderland Wars』には、最初からアートディレクターとして参加されたのですか?

いえ、じつは立ち上げ当初は、アートディレクターという立場は予定されていなかったんです。私はUIデザイナー担当としてアサインされました。
当時は、モデラ―やモーション担当、エフェクト担当など、デザインスタッフが10人ほどいて、それぞれが各々の仕事を進めている状態でした。
デザイン全体を取りまとめるフローがなかったこともあり、最初はゲームがどういう絵や画面になるのか、なかなか決まらなかったんです。
とはいえ担当としてUIデザインの方向性を固めたいので、とにかくサンプルをたくさん作っていろいろと案を出していたら、とんとん拍子で、「『Wonderland Wars』ってこういうデザインのゲームだよね」というイメージがスタッフのなかで固まり始めまして。それに伴い私の役割も少しずつ変わっていき、いつのまにかアートディレクターになっていたって感じですね(笑)。

-アートディレクターとは、実際にどのような仕事を手掛けるのでしょうか?

総括およびスケジュール管理などは、デザインリーダーと呼ばれる別の担当者が行います。アートディレクターとしては、「このゲームはこういう世界観だから、こんな画面デザインや、こんなキャラクターにしましょう」という、デザインの軸となる方向性の”舵取り”がおもな役目です。
たとえば、『Wonderland Wars』のバージョンアップを行う場合、「次のバージョンは、こういうテーマでいきましょう」という方向性を決めて、登場人物はどんなキャラクターか、また、どんな立ち位置かなどのイメージをつくるのも私の仕事です。
また、ゲームの企画担当者からは、「今回はゲームとしてこういう遊びを取り入れたい」というアイデアが上がってきますので、「その遊びをデザインとしてどういう世界観で伝えるか」という部分もイラストや文章にして考えます。 さらに、アートディレクション業務と並行して、UIデザインも制作しつつ、またその合間に、ゲームの運営的なデザインも手掛けています。

-運営的なデザインとは具体的にどのようなことでしょうか?

『Wonderland Wars』のグッズやポスター、公式ウェブサイトのデザインをはじめ、また筐体にプリントされるイラストも私が描いています。
『Wonderland Wars』の特徴のひとつでもある”線画”を描けるのが私しかいないので、それぞれ新規でイラストを描きました。
ここで手を抜いてしまうとゲームの世界観が一気に崩れてしまうので、最後の仕上げとして、とくにこだわった部分でしたね。

CHAPTER 3

デザインのなかに、
ほんの少しの"毒"を仕込む

-ゲームのアートデザインにおいて、山下さんが重視していることは?

まず、「ゲームは”遊び”ありき」という考えは揺るぎません。
「その”遊び”をいかに面白く感じてもらうか」という目線で考えますと、絶対にビジュアル面で印象に残る場面が必要なんです。ほかのゲームと違うこだわりを見せるためにも、僕はデザインのなかに、ほんの少しの”毒”を仕込むことが大事だと思っています。
“毒”というのは、ユーザーに引っ掛かる要素のこと。色や形など見た目で、あえてユーザーの予想を裏切ることで、記憶に残るように仕込みをします。
『Wonderland Wars』で言えば、昔の本に描かれている挿絵のようなイラストに、あえてビビッドな色をのせています。『Wonderland Wars』は、”童話”をモチーフにしていますが、”童話”はメジャーであるがゆえに、正直につくると、どこかで見たことのあるようなデザインになってしまうので、本作では従来の童話の挿絵には、使われていないビビットな色味を入れて、現代的なデザインに融合させると同時に、記憶に残るデザイン設計をしています。
いろんなタイトルが溢れかえっている昨今のゲーム市場で勝負するには、インパクトを与えられるデザインがますます必要になってくると思います。

-さらに、UI(ユーザーインターフェイス)デザインもこだわりがありそうですね?

『Wonderland Wars』のUIデザインは、とにかく色数を抑えています。本作は、ほとんどがモノクロに1~2色だけを加えた画面で構成されています。 ちなみに、自軍と敵軍のイメージカラーは、自軍は”赤”、そして敵軍が”青”で構成しています。一般的なゲームですと、自分(味方)が”青”で、敵が”赤”というイメージが強くないですか? でも『Wonderland Wars』では、「青より赤のほうが強く見える」、「自分が強い色のほうが楽しいに決まってる!」と考え、独自に設定しました。 この”自軍が赤、敵軍が青”という配色をゲーム内で戦闘へ入る前にプレイヤーが感覚的に覚えられるように、「戦闘が始まるまでの画面には絶対に”青色”を使わない」というルールを徹底しています。ほかにも、基本的には”赤”をメインカラーに据えて、弱体的な効果を示すのはこの色、強化はこの色などと決めたら、ほかの色は一切入れないようにしています。

-自分が作りたいデザインとユーザーが望むデザイン、それぞれのバランスはどのように取っていますか?

もちろん、ベースとしてあるのは”ユーザー目線”です。その”ユーザー目線”の底上げをするための試みとして、自分のこだわりや提案を入れていくのが大切だと思います。 アート業界に抱いていた閉塞感のひとつに、”自分自身をクライアントとして作品を作る”ということが挙げられます。もちろん、そういう方向性もいいのですが、そうではなく、ユーザーの目線で考えて、「こういう方向性のデザインがいいですよ!」と、幅広い提案をしていくことが、多分私のやりたいことなんだと思います。

編集・執筆:ローリング内沢、村田征二朗

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