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ローリング内沢のセガ先輩のはなし

先進技術で時代を先取! たまに時代を先取りし過ぎてご愛敬!?
そんなセガを「先輩」に例え、愛をこめてローリング内沢が
自由な切り口で語る不定期連載コラム。

トップスペシャルコンテンツローリング内沢のセガ先輩のはなし 第16回

第16回
セガのエアホッケーゲームの
変遷を探る!

昨今のゲームセンター(アミューズメント施設)といえば、ビデオゲームを筆頭にクレーンゲームやメダルゲーム、プリントシール機などが主流ですけど、長年ゲームセンターに訪れるお客さまたちを楽しませ続けてきた、超・超・超大先輩をお忘れじゃありませんか?
まさに、そのお方こそゲームセンター界の大長老、”エアホッケー御仁”(敬意を表してこう呼ぶ)にほかならない。そう、テーブルの盤面でプラスチックの円盤を打ち合い、相手ゴールに入れて得点を競う、あのエアホッケーのこと。

エアホッケーは、1972年にアメリカのブランズウィック社(ボウリングやビリヤード用品などを手掛ける会社)によって、発明されたのが起源とされているそう。

日本では、ボウリング、ビリヤード、ダーツなどと比較すると、少々影は薄いけれど、アメリカではひとつのスポーツジャンルとして確立されていて大会も開催されているんだとか。

『ニュースピードホッケー』(1989年)

ちなみに、エアホッケーで使われる、プラスチックの円盤のことは”パック”と言い、そのパックを打つ器具は”マレット(あるいはスマッシャー)”と言います。なお、マレットとは英語で”木づち”という意味。

誰もが一度は遊んだことのある(または見たことのある)、超有名なゲーム機だと思うのですが、いま以上に人気が出てもいいと思うんですよね。

なお、最近のエアホッケーって、フィールドに映像が投影されたり、分身魔球(?)が使えたりと、めちゃくちゃ進化してるって知ってました? ……そこで今回はセガのエアホッケーゲームの歴史を探ってみたいと思います。

(左)マレット
(右)パック

セガのエアホッケーゲームの歴史は古く、その第1弾となるのは、1973年に登場した『スピードホッケー』。あいにくボクは実際には遊んだことはないのだけど、当時のブローシャ(パンフレット)を見る限りでは、フィールド上には何もプリントされておらず非常にシンプルな盤面になっています。また、近代のエアホッケーの筐体には見られない、サイドネットが安全対策として装備されているのが逆に新鮮。

『スピードホッケー』紹介ページはこちら

その後登場したのは、『スピードホッケー』の後継機となる、『ニュースピードホッケー』(1989年。記事冒頭の画像参照)。電光の得点表および、BGMによって対戦を盛り上げる演出が追加されています。なお、筆者が若いころによく遊んだのはこの作品。’70~’80年代に起きたボウリングブームの定着もあってか、各地のボウリング場にも設置され、そこで見かけることも多かった筐体です。

『ニュースピードホッケー』紹介ページはこちら

『スピードホッケー』ブローシャ(1973年)

そして’90年代に入ると、『スピードホッケー』のシリーズの3作目となる、『エキサイティングスピードホッケー』(1993年)がリリース。さらに翌年にはダブルスが楽しめる『ペアマッチホッケー』(1994年)が登場した。

『エキサイティング スピードホッケー』紹介ページはこちら

ここまでは、初代『スピードホッケー』の流れを汲んだ、比較的オーソドックスなエアホッケーゲームなのだけど、1997年に発売された『ホッケースタジアム』から急激に進化し、びっくりしたのを覚えています。

『ホッケースタジアム』(1997年)は、カップル同士のダブルデートやグループ客などが楽しめるようにダブルスに対応しているのは『ペアマッチホッケー』と同じなのだけど、ゲームの中盤から終盤にかけて、フィールド上のパックが3枚に増える”3パックプレイ”システムを搭載。これによりゲームがよりスリリングになり、また短時間で大逆転することも可能になったのだ。ピンボールのマルチボールではないけれど、パックの枚数が増えるのは本当に斬新だった。

『ホッケースタジアム』紹介ページはこちら

(左)『エキサイティングスピードホッケー』(1993年)
(右)『ホッケースタジアム』(1997年)

さらに、2000年代に入ると、台の高さが調整できるキッズ向けの『ワンダーホッケー』(2003年)を発売。レバー操作でゴール幅を任意に調整できるハンディキャップ機能を搭載した。そして2005年には、近年へと続くエアホッケーシリーズの第1弾となる、『ヒートアップホッケー』(2005年)がリリースされる。本作は、フェンスにパックが当たると筐体両サイドのランプが光ったり、またフィールドに描かれたレコード盤のようなグラフィックをマレットでスクラッチすると、DJのようにサウンドをコントロールできるなど、さまざまな目新しい要素が盛り込まれていた。

『ヒートアップホッケー』紹介ページはこちら

その後、『ヒートアップホッケー』シリーズの第2弾として、『ヒートアップホッケーリボルブ』(2007年)が登場。『ワンダーホッケー』で好評だったハンディキャップ機能を引き継ぎ、”子どもVS大人”や”ひとり対ふたり”など、さまざまなプレイスタイルに対応できるようになった。

そして現在、セガのエアホッケーゲームの最新機種となるのが、2010年にリリースされた『ヒートアップホッケーイマージュ』(2010年)。製品キャッチコピーで、「次世代エアホッケー」を名乗っているだけあり、これがいろいろとすごいんです!

『ヒートアップホッケー イマージュ』紹介ページはこちら

(左)『ヒートアップホッケーリボルブ』(2007年)
(右)『ヒートアップホッケーイマージュ』(2010年)

まず、フィールド全体に映像を投射し、タイムカウンターや得点、ガイダンス表示などが映し出されるのはもちろん、さらに特定のターゲットアイコンにパックを当てることでイベントが発生。また、自陣敵陣のゴールには、それぞれ8個のガードブロックが設置されていて、一度だけゴールを守ってくれるなど、これまでのエアホッケーゲームとは一線を画するシステムが盛り込まれている。

ほかにも、”多数のパックがフィールド上を駆けめぐる映像”が映し出されると、実際のパックがどれなのか一瞬わからなくなる”分身魔球”の演出も盛り込まれ、戦術的にもかなりバラエティー溢れる作りになっています。

派手な映像演出&サウンドの効果も相まって、かなりアッパーなエアホッケーゲームに仕上がっているのが特徴。

文頭でも書きましたが、ボウリングやビリヤード、ダーツと同じくらい、エアホッケーってさらに人気が出てもいいと思うんですよね。テクニックは多く、戦略性も深いし、また心理戦的な戦いも味わえるゲームだと思うんです。選手をプロ化して、昨今話題のeスポーツの競技になると、面白いと思うなあ。

(左上)フィールドに投射される映像

文・ローリング内沢/2017年11月22日掲載

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

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