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ローリング内沢のセガ先輩のはなし

先進技術で時代を先取! たまに時代を先取りし過ぎてご愛敬!?
そんなセガを「先輩」に例え、愛をこめてローリング内沢が
自由な切り口で語る不定期連載コラム。

トップスペシャルコンテンツローリング内沢のセガ先輩のはなし 第2回

第2回
20年以上もまえにさかのぼる、
セガ先輩の”VR元年”

今年(2016年)は”VR元年”である

賢明な諸君はわかっているとは思うが、”VR”と言ってもアメリカのロックバンド、”ヴェルヴェット・リヴォルヴァー(Velvet Revolver)”ではなく、”バーチャルリアリティー(Virtual Reality・仮想現実)”のことである。

まさに今年は、PlayStation VRやOculus Rift(オキュラスリフト)といった、コンシューマー用VRデバイスのリリースも重なって、ゲーム業界は”合コン2次会のカラオケ”同様に多大な盛り上がりを見せている。

6月にアメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム見本市”E3 2016″においても、各社VR関連のコンテンツをここぞとばかりに打ち出していたのは記憶に新しいところだ。

もちろん、我らが”セガ先輩”(敬意を表してこう呼ぶ)も、いち早くVRを使ったコンテンツ(アトラクション)を東京・お台場の屋内型遊園地、”東京ジョイポリス”で展開する。

それが、この夏にお披露目となった、”世界初”・フリーロームで6人同時プレイのゾンビシューティング『ZERO LATENCY VR』と、新しいカタチのホラーアトラクション『VR生き人形の間』だ。詳細については東京ジョイポリスで体験、または公式サイトを見てもらうことにして、例に漏れずこのように東京ジョイポリスも”VR”一色なのである。

(左)『ZERO LATENCY VR』(2016年)
※この画像は試作機による撮影です。実際の製品とは異なる場合がございます。
(右)『VR 生き人形の間』(2016年)
 ©SEGA LIVE CREATION

“ジョイポリスでVR”……おや?

昨今のヤングゲーマーにはピンと来ないかもしれないが、オールドゲーマー&熱心なセガファンならば、既視感を覚えたはず。そう、”ジョイポリスでVR”といえば、『VR-1』を忘れちゃならない。そう、『VR-1』とはセガ先輩が1994年に世に送り出したVRアトラクションなのである。

8人一組のライドマシン4機に乗り込み、同時に32人がプレイすることができるシューティングゲームで、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)”メガ・バイザー”を装着 し、3Dポリゴン空間でスコアを競うのが目的だ。

頭の動きを検知して、その向きにあわせた映像を投影するのは、昨今のVRバイザーと同様。しかも映像にあわせてライドマシンが動くので、その臨場感と没入感は相当なものだ。

いまあらためて振り返ると、こんなすごいアトラクションが1994年に遊ぶことができたなんて驚きである。残念ながら当時の筆者は遊ぶ機会に恵まれなかったものの、『VR-1』が稼働している現場は目にしている。

『VR-1』(1994年)

ちなみに、横浜ジョイポリスと福岡ジョイポリス(ともに現在は営業終了)の2店舗で遊ぶことができたが、全国で設置されていたのが2店舗だけということもあり、読者諸君はなかなか目にする機会も少なかったと思う。

なお余談だが、セガ先輩は『VR-1』リリースの1年まえとなる1993年に8人の乗りのライドマシン『AS-1』を発表している。これは、映像に合わせて座席が動く、いわゆるディズニーランドの”スターツアーズ”のようなマシンで、まさにVRアトラクションの先駆けといっても過言ではない。この『AS-1』は、ジョイポリスをはじめ、全国のセガ系のゲームセンターなどに設置されていたので、『VR-1』よりも目にする機会は多かったはず。

(左)『VR-1』ヘッドマウンドディスプレイ(1994年)
(右)『VR-1』筐体(1994年)

『AS-1』はHMDは装着しないものの、それぞれの座席にはボタンがついており、前方のスクリーンを見ながら得点を競っていくシューティングゲームになっていた。搭乗者の操作によっては戦況がリアルタイムに変化していくというゲームシステムで、しかも映像にはコマンダー(司令官)として、マイケル・ジャクソンが登場するから、2度驚きだ。

このようにセガ先輩のVR元年はかれこれ、20年以上もまえにさかのぼるのである。

さらにだ、当時のセガ先輩は、アーケード分野だけではなく、家庭用ゲーム機・メガドライブ用のHMDである”セガVR”の開発も行っていた。”セガVR”は、1993年、 アメリカで開催されたCES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショウ)で発表されデモンストレーションまで行われたものの、残念ながらリリースには至らなかった。もしも、当時”セガVR”がリリースされていたならば、世界初の家庭用VRキットとなっていたのである。

さすがボクらの先輩だ。先見の明がありすぎる。今年はそんなセガ先輩の2度目(?)となる”VR元年”となるわけだが、さきほど紹介した『ZERO LATENCY VR』『VR生き人形の間』だけに限らず、さらにボクらをワクワクさせてくれるVRコンテンツのリリースに期待したい。

『AS-1』筐体(1993年)

文・ローリング内沢/2016年09月07日掲載

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

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