セガ・アーケードゲームヒストリー

2018.06.06 さらにコラム追加!

第12回ゲーム筐体は芸術だ! アートワークに見るセガの魅力

2017年08月10日掲載

ちょっと古いが、2012年にアメリカのスミソニアン博物館で"アート・オブ・ビデオゲーム展"が開催されたのを覚えている人も多いと思う。

また、ここ数年、日本国内でも"あそぶ!ゲーム展"(主催:デジタルSKIPステーション)や、"GAME ON ゲームってなんでおもしろい?"(主催:日本科学未来館、フジテレビジョン、角川アスキー総合研究所)など、テレビゲームを題材にしたさまざまな企画展が開催された。

これらの企画展は、テレビゲームの歴史や進化を紐解きつつ、またアート・芸術といった側面からも、その魅力を知ることができる学術的なイベントだ。

ちなみに、よく「テレビゲームはアート(芸術)か?」ということが語られることも多いけれど、そのほとんどは"ゲーム性"や"グラフィック"に重きが置かれることが多いなあと。

いや、ここで芸術論を語る気はさらさらないのだけど、ただ難しいことは抜きにして、個人的には「もっと"ゲーム筐体のアートワーク"にも注目してもいいんじゃない?」と思っている。ソフトウェアではなく、ハードウェアのほう。

◆     ◆     ◆

     

ボクは、アーケードゲーム筐体のアートワークを見るのが好きだ。とくに'70~'80年代あたりの作品。

筐体そのもの形(インダストリアルデザイン)にも興味があるのだけど、それよりもどちらかといえば、筐体の側面や、マーキー(筐体上部の看板。ビルボードともいう)に描かれたイラストを見るのが大好き。それが"味のある"デザインだと、それだけでご飯が3杯も食べられる(笑)。

だから、イベントや展示会など、懐かしのアーケードゲーム筐体に出会える機会があれば、必ずそのアートワークを写真におさめるようにしている。なお、個人的には、ATARI、ナムコ(当時)、タイトーといった老舗ゲームメーカーのアートワークが大好物だ。

でだ! 我らが"セガ先輩"(敬意を表してこう呼ぶ)の筐体も、かなりナイスなアートワークが揃っている。そこで今回は、ボクの独断と偏見で、いくつかご紹介したいと思う。

まずは、これ『カーツン・ガン』(1977年)。がっちり昭和テイストなデザインが、いま見るとかっこいい! とくに筐体前面に描かれたアヒルのイラストが、いい味を出しまくっていて、このイラストのグッズが欲しいくらい。オレンジ色に黒の"SEGA"ロゴも含めて、まさにカートゥーン(CARTOON)っぽくていい。というか"カートゥーン"ではなく、"カーツン"というゲームタイトル表記も昭和っぽくて好きだ。

カーツン

▲『カーツン・ガン』(1977年)

カーツン

▲『カーツン・ガン』筐体上部イラスト

つづいては『ヘッドオン』(1979年)。ドットイートゲームの元祖と言われている作品。青、黄、赤の3色(と黒)をメインにしたポップなイラストが、目におしゃれ!

クルマどうしが衝突しちゃってる"閲覧注意系"の衝撃画像が、当時、子どもながらに「かっこいい!」と思った記憶が!(笑) 衝突の煙の描き方とか、昭和アニメっぽい作りにこだわりを感じる。

ヘッドオン

▲『ヘッドオン』(1979年)

ヘッドオン

▲『ヘッドオン』筐体下部イラスト

あ、これはめちゃくちゃカッコイイですよ。「ムネンアトヲタノム」でおなじみの名作『サムライ』(1980年)です。いわゆる、"サムライをアメコミ風に描いてみました"という方向性だけど、全体的に"SEGAブルー"なイメージも感じて、すごくトータルデザイン的にイカすんですよね。前面にデカデカと描かれた"闇夜に浮かぶ御用の提灯"のイラストも意味不明でいい!

サムライ

▲『サムライ』(1980年)

サムライ

▲『サムライ』ブローシャ

そして、『ザクソン』(1982年)もいい意味でイッちゃってるデザイン。本作が稼働した、1982年といえばちょうど『トロン』や『ブレードランナー』といったSF映画が開された年で、まあ時代的にもSF・近未来などのコンテンツが目立っていたころ。

で、見てください、筐体側面のドラッギーでサイケなグラフィックを! たぶん未来都市をイメージしたイラストだと思うのですが、筐体前面の惑星基地(?)のイラストも合わせて、絵や色使いにただならぬ"神の意志"を感じます!

ザクソン

▲『ザクソン』(1982年)

ザクソン

▲『ザクソン』ブローシャ

そして、むかしの作品ばかりだと、いまの若い人はわからないと思いますので、比較的メジャーどころもご紹介。はい、こちら、『スペースハリアー』(1985年)でございます。ムービング筐体の横に描かれたイラストが、2頭身キャラ風でとてもキュートなんですよ。

「もしも『スペースハリアー』が、『コロコロコミック』でマンガ化されたら」的なイラストが、クールなゲーム内容とギャップがあってステキです。ステージ1のボスであるドラゴン"スケイラ"の「食べちゃうぞ~!」的な表情も見ててほのぼのします。

スペースハリアー

▲『スペースハリアー』(1985年)

スペースハリアー

▲『スペースハリアー』筐体側面イラスト

◆     ◆     ◆

     

ちなみに、これらのアートワークやイラストを手掛けてるのは、たぶんセガの社内スタッフ(デザイナーやイラストレーターのみなさん)だと思うのですが、ぜひ作品をまとめて見てみたいなあ。もしくはポスターやポストカードなどグッズ化すればいいのに!

そういえば昨年(2016年)、ATARIのゲームのアートワークが詰まった『ART OF ATARI』という本が発売されたのですが、同じように『ART OF SEGA』的な書籍を誰か発売してくれませんかね?

だれもやらないのなら、ボクが企画を持ち込んで作ろうかな。 発売されたら誰か買う人いますかね?

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

セガのアーケードゲームのアーカイブ、“セガ・アーケードゲームヒストリー”では、1970年代から現在までのタイトルを、当時のブローシャ(チラシ)画像等と共に紹介中です。Twitterアカウントをお持ちの方は思い出投稿もできるので、ぜひあなたのお気に入りのゲームについて投稿してくださいね!

参考資料:セガ・アーケード・ヒストリー(エンターブレイン刊)

<span>第21回</span>ゲーム業界を目指すなら学生時代にやっておいた方がいいこと