セガ・アーケードゲームヒストリー

2018.08.09 さらにコラム追加!

第14回トイレがゲーム機(?)に! おしっこで遊ぶゲームとは?

2017年10月06日掲載

"セガ先輩"(敬意を表してこう呼ぶ)の、「"大体いつも10年早い"感」には驚かされることが多いのだけど、なかでも「これはバカだなあ~(最高の褒め言葉)!」と心躍らされたのが、2011年にリリースされた『トイレッツ』だ。

トイレッツ

▲『トイレッツ』(2011年)

その当時、プレスリリースを見て、「さすが、俺たちのセガ先輩!」と、心のなかでスタンディングオベーションを送ったほど。というか、"セガ先輩"以外に、この企画を実現できたゲームメーカーはあっただろうか?(笑)

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『トイレッツ』は、トイレ(男性用小便器)で用を足しながら、さまざまな"遊び"が楽しめるエンターテインメントマシン。

小便器に取り付けられたセンサーで計測されたおしっこの速度や量によって、コンテンツ内容が進行するというもので、多様なコンテンツを楽しむことができる。

男性なら、一度は経験したことがあると思うんですが、小便器の消臭ボールにおしっこをかけて遊んだりしませんでした? いわゆる射的の"的"として。

アレっていわゆるひとつの"ゲーム"だと思うんですよ。"男性自身というコントローラー"を握って(笑)、敵(消臭ボール)にミサイル(おしっこ)を撃ち込む……これはれっきとした“シューティングゲーム”だと言いたい! まあ、そんな感覚で楽しめる面白マシンなのです。

ちなみに、『トイレッツ』には、どんな"遊び"が収録されているかというと……。

トイレッツ

▲『溜めろ!小便小僧』

まず、『溜めろ!小便小僧』は、自分のおしっこの量を計測することができるモード。尿量ランキングも実装されており、その量を他人と比べることもできる(笑)。

トイレッツ

▲『ドキッ!暴風警報発令』

また、『ドキッ!暴風警報発令』は、おしっこの速度によって暴風を起こし、モニター内のお姉さんのスカートをはじめ、さまざまなモノを吹き飛ばしていくというモード。ちょっとセクシーなのが良いです(笑)!

トイレッツ

▲『ぶっかけバトル!鼻から牛乳』

さらに、『ぶっかけバトル!鼻から牛乳』は、前回おしっこした人と押し相撲をするという内容。勝負の決め手はおしっこの勢いなんですが、これは男として絶対負けたくないです。"男の器"を比べられているようで(笑)。

ほかにも、おしっこでその人の本音がわかる『尿内チェッカー』や、おしっこでパネルがめくれていく『パネルクイズ超ニョ~力』といった、さまざまな"遊び"が楽しめます。

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なお、『トイレッツ』は、東京ジョイポリスや、セガ系列のゲームセンターの一部、そして全国各地の居酒屋・バーなどに設置され、いわゆる電子POPとして多いに活用されています(『トイレッツ』の設置店舗はこちらをチェック【http://toylets.sega.jp/shop.html】)。

実際、とある居酒屋で『トイレッツ』の試験運用したところ、ポスターでの宣伝と比べて、ドリンクの注文数が倍以上になった、というデータもあるそう。電子POPとしての役割、およびエンターテイメントマシンとしての役割だけではなく、小便器に貼られた的を狙っておしっこをするので、トイレをキレイに保つ効果も得られているんだとか。

また、当時の広報担当は、『トイレッツ』を各メディアに掲載してもらうべく、稼働時、各社の編集者と『トイレッツ』設置店の居酒屋に行き、お酒を飲んでは測定&対戦し、ゲームの楽しさを体感していただく広報活動に励んでいたそうです(これだけ聞くと、すごく楽しそうな仕事!(笑))。

さらに余談ですが、Twitterのセガ公式アカウント(@SEGA_OFFICIAL)の"中の人"が『トイレッツ』の宣伝物の一部キャッチコピーをライティングしたとか!

トイレッツ

トイレッツ

▲左下の黒文字コピーに注目

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残念ながら、『トイレッツ』の販売は2016年で終了してしまったのだけど、ぜひ"セガ先輩"には今後、洋式トイレ用の"新『トイレッツ』"を開発してほしいところ。それなら女性も楽しめますものね。

こういう何気ない生活の一部に"遊び"が盛り込まれるだけで日々が楽しくなるし、このような"セガ先輩"の突拍子もない目の付け所には、さすがすぎて嫉妬すら覚えます。

そして最後に、「自宅用に『トイレッツ』を付けたい」と思った人は、ぜひこちらを。

トイレッツ

▲『トイレッツ』のペーパークラフト』

『トイレッツ』のペーパークラフトが製品公式サイト【http://toylets.sega.jp/models.html】からダウンロードできます。もちろん原寸大ではなく、市販の1/12サイズの男子便所のプラモデルに取り付けられるサイズなんですが(笑)。

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

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参考資料:セガ・アーケード・ヒストリー(エンターブレイン刊)

<span>第23回</span>MCUさんと、ゲームやセガについて話してきた!【後編】