セガ・アーケードゲームヒストリー

2018.10.23 コラム追加!

第23回MCUさんと、ゲームやセガについて話してきた!【後編】

2018年08月09日掲載

ヒップホップグループ"KICK THE CAN CREW(キック・ザ・カン・クルー)"のMCUさんとゲームの話をする企画の"後編"!

(【前編】はこちら!)

ゲーム好きな(しかもめちゃくちゃ詳しい)、MCUさんは、はたして"セガ先輩"(敬意を表してこう呼ぶ)のことをどう思っているのか、など、今回はちょっと突っ込んだ話をしてきました。

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▲"前編"に引き続き、MCUさんのご自宅にあるゲームコレクション部屋でお話を伺っています。写真は、往年のパソコンゲーム誌『ログイン』を読むMCUさん。

◆     ◆     ◆

--そうそう、MCUさんってむかしゲームセンターでアルバイトしていた時期もあるそうですね。

MCU:

ええ、もういまは無くなっちゃったのですが、東京・神保町にあるミッキーというゲームセンターで働いていました。当時、たしか20歳前後だったかな。

--神保町のミッキー! 有名な老舗のゲーセンですよね。

MCU:

そうです! 15時と17時に、筐体を拭きに行くのですが、一番奥にあった『キャプテンコマンドー』(1991年/カプコン)の筐体だけ、念入りに磨いていたのを覚えてます。すごく好きなゲームだったので(笑)。
ちなみに当時のミッキーには、『スーパーハングオン』(1987年)もありまして、それもよく遊んでましたね。

--ゲーセンでバイトをしていると、ゲームはタダで遊び放題なんですか?

MCU:

いや、ダメですね(笑)。きちんとお金をいれて遊んでましたよ。バイトは無料でやらせてくれればいいのに(笑)。

▲コレクション棚の一部には、セガハードのゲームソフトの数々が! なかでも『ルーマニア #203』がお気に入りなんだとか。MCUさんいわく「ドリキャス版もプレステ版も何回もプレイしました」とのこと。

▲コレクション棚の一部には、セガハードのゲームソフトの数々が! なかでも『ルーマニア #203』がお気に入りなんだとか。MCUさんいわく「ドリキャス版もプレステ版も何回もプレイしました」とのこと。

--それこそハタチ前後のころ、「将来ゲーム業界で働きたい」といった夢とか想いはあったのですか?

MCU:

そのときは、「ゲームを作るのは無理だろうな」と勝手に思っていたので、ゲーム業界を目指そうとは思っていなかったですね。ただ、ずっと音楽はやってましたので、将来はそっちに進もうと思ってました。
そういえば先日、"セガフェス2018"があったじゃないですか。もちろん遊びにいったのですが、そこでセガの中途採用募集のパンフレットを見つけて、応募しようかちょっと悩んだんですよね(笑)。
知り合いのセガ社員に「セガの中途採用ってボクでも大丈夫ですか?」ってLINEでメッセージを送ったら、「(冗談は)やめてください!」って返事がきましたけど(笑)。

--あははははは!

MCU:

ゲーム好きならわかってくれると思うんですが、"セガの社員(だった)"っていう人生の称号が欲しかったんですよ(笑)。

--それわかる(笑)! そういえば、"セガフェス2018"には、ステージイベントにMC8bitさんという、MCUさんの後輩ラッパーが出演していましたよね?

MCU:

ええ(笑)。ボクに声も容姿もウリふたつな後輩ラッパーです。ゲーム好きなところもそっくりです(笑)。
ゲームネタのラップをいろいろ作っているみたいなので、ぜひ「MC8bit」でネット検索をして、みなさんに聞いてほしいですね。
あと、"セガフェス2018"当日に発表されたのですが、セガとアパレルブランド・ゲームスグロリアース【https://www.games-glorious.com/】がコラボした、『アレックスキッドのミラクルワールド』のTシャツに、MC8Bitが手掛けた『アレックスキッド』のダウンロード楽曲が付いてくるので、こちらもチェックしてもらえれば(笑)!

▲2018年4月14日・15日に秋葉原で開催された、

▲2018年4月14日・15日に秋葉原で開催された、"セガフェス2018"のステージイベントに出演したMC8bitさん。ゲームネタのラップがめちゃくちゃカッコイイので必聴です!(写真提供:ファミ通.com)

--ちなみに、ゲーム好きなMCUさんにとって、"ゲームの魅力"って何ですか? ゲームに何を求めています?

MCU:

うーん……雰囲気というか、世界観というか、そういう部分ですかね。ゲームならではの強引な設定とかシチュエーションとか、そんな"日常にはない感じ"が好きだったりするんですよね。
そういう意味では、よくゲーセンに通っていた当時は、インストラクションカード(アーケードゲームの説明書)を見る(読む)のも好きでしたね。

--それは、映画や小説で得られるものとは、また違うんですか?

MCU:

違うんですよね。グラフィック(ドット絵)やサウンド、操作感なども含めての雰囲気や世界観が好きなので。

▲MCUさんのコレクションのひとつ。自分でクリアしたゲームのエンディング画面を撮影してまとめた

▲MCUさんのコレクションのひとつ。自分でクリアしたゲームのエンディング画面を撮影してまとめた"アルバム集"。写真は、『レンタヒーロー』のエンディング画面。

--そんな"ゲーム好き"であることが、いまの仕事に影響を与えていることってありますか?

MCU:

歌詞を書くときに、設定や流れなどを無視して作ることも多いんです。自分で造語を作ったりとか。
そういう部分は、多少、ゲームから習っているかもしれません。
最近のゲームには少ないけれど、むかしのゲームの説明書って、ストーリーや世界観が突拍子もないものも多かったじゃないですか。発想が自由というか。
そういうのをずっと好きで読んできたので、軸がぶれていても気にしないんですよ。
「ここはつじつまが合わない」っていうタイプではなくて、「だいたいニュアンス伝わればいいよね」というスタイルで歌詞作りをしてますね。

--あー、むかしのゲームの世界観や物語設定って、むちゃくちゃものも多かったですよね。

MCU:

このあいだ、LITTLE(※KICK THE CAN CREWのメンバーのひとり)とやっている、"UL"というユニットで曲作りをするときに、「どういうテーマにしようか」と話し合ったんです。
ふたりでラップをするから、「二丁拳銃みたいな曲を作ろうか」ってなったときも、すぐに『ワイルドガンマン』(任天堂/1984年)や、『魂斗羅』(コナミ/1987年)といった、ゲーム画面(銃のイメージ)が浮かんできましたから(笑)。ときには、そのような(ゲームの)イメージをヒントにして歌詞を作ることもありますよ。

▲コレクション部屋で音楽を聞くときは、セガサターンをCDプレイヤーの代わりにして聞いているのだとか。なので、アンプ&ターンテーブルのうえにはセガサターンが鎮座!

▲コレクション部屋で音楽を聞くときは、セガサターンをCDプレイヤーの代わりにして聞いているのだとか。なので、アンプ&ターンテーブルのうえにはセガサターンが鎮座!

--最後に! ずばりMCUさんは、セガにどんなイメージを持っています?

MCU:

そうですね。カッコよくてクールなイメージですかね。子どものころは、ただ単純に「セガのゲームが好き」という気持ちだったんですけど、ちょっと大人になって『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(1991年)に出会ってから、「ソニックってクールだな!」って。
あの媚びてない感じのキャラクター性といいますか、スタイリッシュな感じが、セガそのものを象徴していると思うんですよね。
企業のイメージカラーである"セガブルー"も込みで、カッコいいじゃないですか。

--なるほど! セガって、独自のこだわりをもって(世間に媚びずに?)、ものづくりをしているイメージもありますからね。

MCU:

まあ、たとえるならば、"ずっとカッコいい先輩"ですかね。"ゲーム界のキング"といった手が届きにくい存在ではなく、いちばん近くにいてくれるカッコいい先輩……セガにはそんなイメージを持ってます。

▲MCUさんのコレクション部屋の一角にあるセガ&ソニックコーナー。

▲MCUさんのコレクション部屋の一角にあるセガ&ソニックコーナー。

◆     ◆     ◆

じつは、このインタビューのあと、場所を居酒屋に移し、(今回の企画とはまったく関係なくプライベートでお酒を飲みながら)さらにゲームの話を続けたのですが、こちらが忘れてかけていたような、"懐かしゲームワード"が出るわ出るわで、めちゃくちゃ楽しかったです!

「いやほんと、MCUさん、中途採用でセガに入社しちゃえばいいのに(笑)!」と思いつつ、この日は、ゲームというコンテンツ(そして"セガ先輩")の魅力を再確認できた1日でした。

ぜひ今度は、MCUさんといっしょにゲーセン巡りをしてみたいものです。

※文中のメーカー名はすべて当時のものです。

MCUさん プロフィール

mcuさん

1973年生まれ、東京都・巣鴨出身。"KICK THE CAN CREW"および、"UL"のMCを担当するヒップホップアーティスト。雑誌『EYE SCREAM』で、コラム「MCUのゲーム温故知新」を連載するなどゲーム好きとしても有名。

・MCUオフィシャルブログ
https://lineblog.me/kickulmcu/

<KICK THE CAN CREW ライブ情報>
16年ぶりとなる日本武道館でのワンマンライブが決定。

KICK THE CAN CREW
「現地集合~武道館ワンマンライブ~」
2018年9月1日(土) 日本武道館
チケット 8月4日(土)一般発売開始

・KICK THE CAN CREW公式サイト
http://www.kickthecancrew.com/

mcuさん

ローリング内沢

1970年、東京生まれ。ライター、編集者、ゲーム批評家。
ゲーム情報誌の編集者を経て、2000年4月よりフリーランスとして活動。
得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。
趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
イラスト:荒井清和

参考資料:セガ・アーケード・ヒストリー(エンターブレイン刊)

<span>第25回</span>『ボーダーブレイク』1/1プラモデル制作秘話【後編】