Creator’s Interview sic_sp_interview10-2_01

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本物の馬の動きを理解するために
乗馬学校にも通いました

―『スターホース』シリーズを手掛けることになったきっかけは?

メダルゲームと言えば、"競馬"、"ビンゴ"、"プッシャー(メダル落とし)"の3つが主流と言われていますが、そのなかでも競馬のメダルゲームは人気も高く、弊社としてもこれまでにさまざまな作品をリリースしています。
当時は、ちょうど『ロイヤルアスコットII』(1996年)という競馬ゲームを発売して1~2年経ったころ。「そろそろ新しい競馬ゲームを作ろう」という話がありました。
それまでにセガから出ていた競馬メダルゲームは、筐体中央部にトラックフィールドがあり、そこを馬の模型(メカ)が実際に走るというタイプが主流でした。しかし、これだと出走馬の数も限られますし、実在する競馬場や実名馬の再現もできませんでした。
新しく競馬のメダルゲームを作るとしたら、本物の競馬をどこまで再現できるかに挑戦したいというのが根幹にあったんです。そう考えたときに、模型ではなく映像(CG)で表現すれば馬のビジュアルも本物そっくりにできるし、どうせやるなら馬名や騎手名、競馬新聞に競馬場、ファンファーレもすべて本物にしたいな、と思ったんです。

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―実際の競馬を再現するにあたり、どのような点にこだわりましたか?

とにかく"すべての要素を本物にしよう"という点ですね。
映像だけの競馬メダルゲームは過去にもいくつかありましたが、2Dのドット絵で描いた馬が動く程度で、実名馬や実競馬場を再現しているものはありませんでした。
『スターホース』の開発にあたっては、本物の競馬場や馬名を使わせていただくためにJRAさんや権利元に、またファンファーレも本物にするために、すぎやまこういち先生他作曲家のもとへ、さらに競馬新聞も実際のものを登場させたかったので関東競馬新聞協会さんにも交渉に行きました。
ほかにも、実際の競馬場やパドックを見るために、デザイナーと一緒に全国の各競馬場を回りました。
そして、「競馬を忠実に再現しようというのに、自分で馬に乗れないのは話にならないな」と思いまして、乗馬学校にも通いました。駆足まではできるようになり、馬の動きもより理解できました。

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また、馬自体の美しさや力強さを見るのも、競馬の魅力のひとつですよね。とくにサラブレッドは無駄な肉が一切ないですし、色艶もいい。考え抜かれた血統の配合や、高いレベルの調教の賜でもありますよね。
ですから、馬の再現にはとくに気を使いました。本物の馬の動きをより再現するために、ヘルメットにビデオカメラを付けたものを自作して、それを乗馬学校のインストラクターに装着していただき、騎手視点での映像を撮影しました。当時は、まだ小型のCCDカメラなんてなかった時代です。
さらに馬に餌を食べさせるシーンや水を飲ませるシーンなども撮影して、「これでもか!」というくらい徹底的にこだわったんです。
いまなら、もう少し手軽にモーションキャプチャーを使える時代ですが、当時はその技術が目が飛び出るほど高額だったんですよね。しかも人ではなく馬を走らせてのモーションキャプチャーですから。たしか1億円近くかかると言われて、さすがに泣く泣く諦めましたけど(笑)。

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編集・執筆:ローリング内沢、村田征二朗

佐藤直行[後篇]

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