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Creator’s Interview セガ・インタラクティブ 第三研究開発本部 開発一部 サウンドセクション チーフクリエーター/ボーカリスト 光吉猛修

逆もまた真なり 光吉猛修

代表作

  • 「デイトナUSA」
    「maimai」「CHUNITHM」
    サウンドクリエイター・ボーカリスト

代表作

  • 「デイトナUSA」
    「maimai」「CHUNITHM」
    サウンドクリエイター・ボーカリスト

私は「歌がうまい」のではなく
「うまく聞こえるように歌うのがうまい」だけ(笑)

-光吉さんは作曲だけではなくボーカリストとしても活躍されていますが、そもそもゲームの楽曲に歌を入れることになったきっかけを教えてください

歌らしい歌を入れたのは『デイトナUSA』(1993年)が最初ですね。ただ、じつはそれよりもまえに『バーチャレーシング』(1992年)の楽曲にも歌(声)が入っているんですよ。「ゴー!」、「ゲームオーバー」などといったセリフや歌が入った曲があるのですが、あれも私の声なんです(笑)。

―当時のアーケードゲームとしては、歌が入った楽曲が流れるのは珍しかったと思います。歌を入れる際に何か苦労はありましたか?

MPEGなど、音質を抑えて圧縮する技術はありましたが、ゲームの楽曲に歌声をそのまま入れる下地はありませんでした。もちろん、音源チップの容量的にも制限がありました。
そこで、どうしたかと言いますと、歌を少しずつ切り刻んでいくんですよ。「デイトーナー」というフレーズをそのまま歌って収録するのではなく、「デー」、「イー」、「トー」、「ナー」と、1ワードずつ音を個別に収録して、ひとつずつキーボードにアサインし、それらを組み合わせて歌っているようにするんです。

また伸ばした音に関してはループを取っているので、例えば最後の「ナー」を伸ばし続ければ、「デイトーナーーーーー」と長く、歌わせることもできます。
メリットとしては、曲のテンポが遅くなったとしても音が切れないんですよ。少々、力技ではありますけど、当時は音源チップの容量が限られていたぶん、そのようなアイデアを持って勝負していたんですよね。歌入りの楽曲を収録した、というよりは、基板(音源チップ)が歌のように出力してくれた、というほうが正しいかもしれません(笑)。

デイトナUSA
「デイトナUSA」より楽曲 『Let's Go Away』を試聴できます。

―「日本一、歌のうまいサラリーマン」という二つ名を持つ光吉さんですが、普段からボイストレーニングはされているのでしょうか?

期待を裏切るようで申し訳ないのですが、とくにトレーニングはしていないんです。私は、「歌がうまい」のではなくて、「うまく聞こえるように歌うのがうまい」だけで(笑)。

―ボイストレーニングに代わるような経験があったりするのですか?

私が通っていた中学校は、たまたま合唱に力を入れていて、朝・昼・放課後と、毎日3回合唱の時間がありました。いま思うと、中学校の3年間がトレーニングになっていたのかもしれません。
あと、16歳から習い始めたクラッシックピアノのレッスンにあった”ソルフェージュ”と言う楽譜を読みながら歌う基礎練習も役にたったのかも。

―上手に歌うコツを教えてください!

私は、自分で"歌がうまい"とは思っていませんので、あくまで"うまく聞こえる"コツになりますが(笑)、たとえば歌にビブラート(音の揺れ)をかけてみるだけでも上手に聞こえると思います。

単純に「あーーーーー」と音を伸ばすのと、「あ~ァ~ア~ァ~」と揺らして伸ばすとのでは、ニュアンスも変わりますし、そこに歌心みたいなものも生まれてきますよね。
また、歌い終わりも、ぼそぼそっとフェードアウトするのではなく、自信を持って声を出すことで、なんとなく歌がうまそうに聞こえるんですよ(笑)。
逆に音痴に聞こえるのは、テンポが外れていることが原因だったりもします。音楽業界では"走る"と表現するのですが、曲のテンポよりも歌うのが速くなってしまうと、素人っぽい感じが出てしまう。
むしろ、曲のテンポよりもちょっと遅れて歌ったほうが、ジャズやブルースのような雰囲気が出て、いわゆる"後ノリ"みたいで格好よくなったりしますよ。

光吉猛修[前篇]

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